誰もがストレス無くウェブを扱える社会になればいい
こんにちは、川村 みきをです。
19年前にITの分野に関わるようになってから、ずっと思っている事があります。
それは、“誰もがストレス無くウェブを扱えるようになればいい”ということ。
特に、会社に勤めていた頃はそれを痛感しました。
- メールが送れない・・・
- ホームページのレイアウトが崩れている・・・
- パソコンが立ち上がらない・・・
- パワーポイントで営業資料を作ったら文字が半分見えない・・・
ITやウェブに関する“困ったこと”は仕事をしていると際限なく吐出してきます。
そんな時に同僚や部下、上司はわたしがITやウェブに少し詳しいと知るや否や、
わたしの仕事の都合などお構いなしに質問攻めに合っていました。
わたしが長野県長野市で事業所を運営していた時も、
仙台,新潟,大宮,六本木,新宿,名古屋,松山・・・・と他の事業所の人がバンバン電話をかけてきて、ITやウェブのことを聞いてきます。
最初こそ、『頼られてるぅ~』といい気分でしたが、一日何人からも何回もそんな質問を浴びせられると心はかなり疲れます。そして、質問した人達の質問内容に満足な回答が出来ないと相手は残念そうな時には、せっかく連絡したのにあなたはITやウェブの専門家でしょ?みたいな空気を漂わせて来ます。
もう、そんな空気が耐えられず会社に居る時はひたすら専門書を読み込み、
事業運営に関わるウェブ系の様々な困り事に即時に応えられるように知識を増やして行きました。
■人の要望は尽きない
そうるすと次は、時短です。
つまり・・・相手に取ってわかりやすくイメージしやすく伝えることを目指しました。どれだけ、適切な回答でも分かりづらかったら相手もわたしもストレスになります。だから、適切だと判断出来る回答を相手がイメージしやすい伝え方で伝えられるように、いろいろな方法を試してきました。
「川村さんにパソコンのことを聞くとわかる。」
という噂が社内に広がり気づいたときには社内の一人パソコンサポートコールセンターのような役割になっていました。その噂が社長か常務かの耳に入り、新しく立ち上がった社内のIT事業部の部長に抜擢されました。
と、ここまでなら苦労→成功したストーリーになるのですが、
ここから話は続きます。
■出世が全て幸せにつながるとは限らないむしろ…
新しく立ち上がった社内のIT事業部は北海道から福岡まで事業所を展開しました。
最初こそ、順調に見えましたがすぐに問題が勃発しまくりました。
ITやウェブという分野はものすごいスピードで進化していて、今日設定したものが明日にはエラーを引き起こすということなどザラでした。
それは、2016年10月の今日でもあまり変わっていないように思います。
進化し続けているものは安定しません。
安定しないから、技術者が保守管理メンテナンスを行い続けていく必要があり、それでもエラーが出るからその対応に追われるわけです。それは、ITやウェブの仕事に携わっていない一般的な人から見れば混沌とした状態に見えることでしょう。
それでも、そんな状態でもIT技術者がITやウェブと向き合っていられるのは彼らがITやウェブを好きだからだとしか言えません。
- プログラムを組むのが好き
- パソコンをゼロから組み立てるのが好き
- ウェブシステムをオリジナルにカスタマイズするのが好き
- コーダー(HTMLなどの言語を扱う人)なら、美しい言語を書けた時に悦を感じるとか・・・
そういう感情が少なからず、いやとても多くあるのではないかと思います。
仕事だから生活の糧を得るためにやり続けていくにはITやウェブという分野はとてつもない精神力を要します。わたしがそうでしたから。
上司や部下、同僚にわたしは“いいカッコ”したいというただ、それだけの自己顕示欲で一人パソコンサポートセンターを運営していましたからよくわかります。
“いいカッコしたい”というそんな感情だけで気づいたらIT事業部の部長になっていました。
で、そこで初めて気づいたのです。
「わたし自身、そんなにITやウェブのことを好きじゃないぞ・・・」ということに。
これはかなり衝撃的でした。
■立場が変わって見えてくるものは…
豊富な知識を得て人の役に立つことが出来るという状態で、そのコンテンツであるITやウェブに全く愛情が無かったのです。
当時はそのことがただただ、ショックでしたが最近その当時のわたし自身の気持ちを思い出しつつ、何故?これだけ仕事にも生活にもITやウェブといった要素が入り込んで来ているのに大多数の人はもっと積極的に、ウェブを構築するスキルやレイアウトデザインのスキルなどを身につけないのでしょうか?
何故?ほんの一部の技術者やデザイナーだけがそういったスキルを身にまとおうとしているのでしょうか?
いや・・・もっと言えば、何故?多くの人がITやウェブを使うことではなく、使われるようなことを選択されているのでしょうか?
という疑問がここ数年間ずーとありました。
そしてひとつの“ 解 ”が出ましたそれは・・・
■多くの人がITやウェブに使われているのは…
ほとんど大多数の人が、IT事業部の部長をやっていた頃のわたし自身のように、
ITやウェブに対して愛情や興味など皆無なのではないかということです。
愛情や興味が無いものを人は積極的に身につけられるはずがありません。
いや、むしろ関わり合いを持たないのではないでしょうか?
そう考えると、毎日仕事で使うのに少しでもわからないことがあれば、すぐに電話してわたしに質問してきた上司や同僚、部下の人達の感情も納得が行きます。
彼らは、仕事で必須であるにも関わらず、ITやウェブのスキルを一向に身につけようとはせず、全部わたしに聞いていたのは、(ITやウェブに)愛情も興味も無かったから。
この結論は大きく間違ってはいないでしょう。
なので、必要にかられても多くの人が愛情も興味もないITやウェブのスキル習得には乗り気にはならないんでしょう。それは仕方の無いことなんでしょう。
この大前提に立って物事を考えたら、誰もがストレス無くウェブを扱える社会を作るための施策がひとつ見えてきましたそれは・・・・
その人自身が興味を持っていて愛情があるモノをコンテンツにしていくことから始めればいい
と、いうことです。
■その人自身が興味を持っていて愛情があるモノをコンテンツにするとは…?
ここにパンが大好きな女性が一人います。
彼女はパンを小麦粉の調合から入り作っていきます。
パンを小麦粉から調合していく
小麦粉の調合からパンを作っていくなんて、好きじゃなかったら絶対しません。
何故なら、今の世の中はいともたやすくパンを手に入れられるからです。
だから、小麦粉からパンを作るということはパンに対して興味と愛情があるということで間違い無いでしょう。
本人はそれを健康のためとか、言っていますがそれもあると思いますがその前提には尽きること無い興味と愛情が見えます。
で、パンを小麦粉から調合して作っていくこととウェブが何の関係があるのか?
ということになりますが、人は尽きることが無い興味や愛情があるものに対しては放っておいても勝手に取り組んでいます。
それをウェブと結びつけていくということです。
この考察は少し長くなりますのでまたの機会に、書きます。